フジパン本仕込みのCMが、
「トランス脂肪酸ゼロ!」
と大きく謳っていました。
近所のスーパーでは、本仕込みが軒並み売り切れ。
しかし、
『トランス脂肪酸ゼロと言っているが、果たしてゼロなんかにできるのか?』
『油分はどうしているのか?』
などなど気になったので、いろいろ調べてみたことについて綴ります。
トランス脂肪酸は、ヤバイらしいというざっくりした情報
トランス脂肪酸は、
- 「食べるプラスチック」
- 「海外では規制されているのに、日本ではノータッチ」
など、
本当か嘘かは知らないのですが、
そういった、ざっくりした話を聞いたことがありました。
とりあえずヤバイらしい
という情報の元、私も何となく気にしておりました。
マーガリンやホイップクリームは、トランス脂肪酸そのものだと思っていました(食べるプラスチックという言葉が原因)。
とにかく、
高くてもバターを使い、ケーキも生クリームを使用していました。
でも、
マーガリンを使った食パンに、カチカチのバターをゴリゴリ押し付けて塗るという矛盾。。。
できれば食パンもバター使用の物が良い。
でも、スーパーのパンにバターなんか使っていたら、あんな値段で販売できんよね。。
と、半ば諦めていました。
そこに出てきた、トランス脂肪酸ゼロ食パン。
トランス脂肪酸不使用ってこと?
と、飛びついたのでした。
そんな方、多いんじゃないかな?
トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸をざっくり解説します。
マーガリンやショートニングの原料となる植物油はもともとは常温で液体な物が多い。
そこに
水素を添加することで、常温でも固形状態になるよう加工しています。
その科学処理の過程で、トランス脂肪酸ができてしまうようです。
ただ
マーガリンやショートニングは、安価で硬さ調整も容易なことから、パンやクッキー、ケーキなど様々な食品にバターの代用として使用されています。
トランス脂肪酸摂取量が多いと、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えて、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減ることが報告されています。
他にも、パーキンソン病や認知症の原因となるとか、、
最近は1%未満マーガリンも。
トランス脂肪酸はヤバイらしい情報が浸透している昨今。
ところが最近のマーガリンを見てみると、企業努力でトランス脂肪酸含有量1%未満の商品もたくさんあるようです。
代表的なマーガリンでいえば、
- 雪印「ネオソフト」(0.8%)
- J-オイルミルズ「ラーマ」(1.0%)
- 明治「コーンソフト」(1.0%)
などなど。。
パーム油やヤシ油などで硬さ調整することで、何とか水素添加することなく固形状にし、少しでもトランス脂肪酸を押さえられるよう努力されているようです。
ただ、トランス脂肪酸は自然界にも若干あるものなので、完全にゼロにはできないそう。
実はバターにもトランス脂肪酸は含まれている。
実はトランス脂肪酸は、
水素添加による加工由来のものと、自然由来のものと2種類あります。
バターにも自然由来のトランス脂肪酸は含まれています。
そして、バターのトランス脂肪酸含有量は、平均で3.3%です。
なんと!
トランス脂肪酸だけを考えれば、最近のマーガリンよりもむしろバターのほうが多いという事実が。
摂取上限は1日2グラム未満が望ましい。
海外では、トランス脂肪酸についていろいろ規制はされています。
ただ、クッキーやパンをたくさん食べる食生活と日本人の食生活はちがうので、あまり問題ないという見解もある。
農林水産省のホームページに、トランス脂肪酸の摂取量目安が記載されていました。
WHOでは、トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告をしています。日本人が一日に摂取するエネルギーは平均で約1,900 kcalであり、この場合には1人1日当たり約2グラム未満に相当します。
※農林水産省ホームページよりhttp://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/
こちらの情報によると、1人1日あたり2グラム未満が目安
含有量1%のコーンソフトを1日10グラム食べたとして、摂取量は0.1グラム。
天然と加工由来のはっきりとした影響の違いはわからない
植物油の加工でできる加工由来のトランス脂肪酸と、バターなどに含まれる天然由来のトランス脂肪酸。
- それぞれ、健康に及ぼす影響に違いがあるのか?
- どのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのか?
農林水産省のサイトによると、
はっきりした影響の違いはわからず、十分な証拠がないのが実際のところのようです。
バターなどに含まれる天然由来のトランス脂肪酸であれば安全かと思っていましたが、実際はよくわかっていないそう。
ふむふむ。。。
フジパン本仕込の油分は?本当にフリーなの?
いろいろトランス脂肪酸について書いてきましたが、
本題のフジパン本仕込みの油分は何を使っているのか?
確認したところ、バター入りマーガリン、ショートニングでした。

100gあたり0.3g未満であれば、ゼロ表記できる。
そこで、あれれ?と思ったのです。
トランス脂肪酸はどうしても自然界に存在するので、完全にゼロにすることは難しい。
調べてみたところ、
トランス脂肪酸は、食品100グラムあたり、0.3グラム未満であれば、ゼロ、ノン、フリー等の表記ができるそうです。
商品にも見づらいのですが、記載されていました。
「製品100gあたり、トランス脂肪酸0.3g未満、コレステロール5mg未満の場合は、0gと表示しております。」

食パン1斤340g以上とのことなので、私が食べた4枚切り食パン1枚は約85g。
仮に食パン100gあたり0.3g近くトランス脂肪酸が含まれているとすると、
【食パン】0.3×(85÷100)=0.255g
【マーガリン】10×0.01=0.1g
合計0.355g
4枚切り食パンに10gのマーガリンを塗って食べたとしても、合計0.3gから0.4g程度の摂取量となる。
私はパンやケーキが好きで、小腹が空いたらパクパク食べているのですが、トランス脂肪酸フリーのものであればある程度は大丈夫そうですね。
超熟の食パンとの違いは?
いろいろフジパン本仕込みについて書いてきましたが、、
実は私。。。
「超熟」派なんです。
超熟もイーストフードや乳化剤を使っていなかったり、いろいろ素材に気を使っているイメージだったので調べてみました。
本仕込み同様、イーストフードと乳化剤は使用していませんの表記が。

気になるトランス脂肪酸については、商品自体に表記はありませんでした。
そこで、メーカーホームページを見てみると、、、
あれま!超熟もトランス脂肪酸はゼロなんですって。
ゼロというのは、恐らく含まれていても100gあたり0.3g未満ということ。
フジパンと変わらない!!
「トランス脂肪酸ゼロ!!」と、大きく言うか言わないかの違いだったのか。。
超熟派の私も、ここ1週間はフジパン本仕込みでした。(普通のは売り切れていたので、2枚しか入っていない高いやつ)
最後に
トランス脂肪酸については、
- 自然由来と加工由来があり、実は、両者の影響の違いはわかっていない。
- 現在はマーガリンでも企業努力でかなり含有量は抑えられている。
- 農林水産省のHPによると、日本人のトランス脂肪酸の摂取量は1人1日あたり2g未満が目安。
- マーガリンも、パンに塗るくらいの量(10グラム程度)であれば、摂取目標はクリアできる。(商品によると思いますので、事前にチェックしてください)
- フリー表記でも、トランス脂肪酸が全く含まれていないということではない。
- フジパン以外にも、フリーの食パンはある。大きく言っているかいないかの違い
上記のことがわかりました。
あとは個人それぞれの考え方ですよね。
私は
「この程度であれば、直ちに健康に害があるわけではない。」
と言われても、結局のところ正しいことはわからないので、念のために避けたくなる人です。
でも、マーガリンについては、マーガリン自体がトランス脂肪酸でできていると思っていたけれど(無知)、そんなことはなく。。
最近は含有量も抑えられているようなので、今後使っても良いかな?と思いました。
そして、
超熟もフジパン本仕込み同様、トランス脂肪酸含有量は100gあたり0.3g未満。
※9月12日追記
先日生協で発見したこちらの食パン。

使用している材料はこちら。

最近ホームベーカリーを使い始めてパンに使用する材料が頭に入っているのですが、本当に必要最低限の材料といった感じです。
素材にもこだわってます。

食べてみたところ、
サクッとモチッとしていておいしい。
超熟とはまた違う感じだけど、オリーブオイル臭さもないしイケます。
私はコープデリで購入しました。
気になる方はお試しくださいね♪
コープデリ→【co-opdeli】
パン1斤あたり使うバターは15g~20gでこんなもんなんです。

自分でパンを作るとわかるのですが、パンの材料ってシンプル
- バター
- 強力粉
- 砂糖
- 塩
- 水
- スキムミルク
- イースト
これだけです。
やはり自分で材料が選べるのはとても安心です。
また、コロナ対策で備蓄を考えていた際に気がついたのですが
パンは全て日持ちする材料で作れるんですよね。
コロナで万が一外出できなくなっても、毎日パンが食べられる。
こちらでもホームベーカリーの魅力を綴っていますのでぜひご一読くださいね!
